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GOMORRA

 投稿者:竹内です  投稿日:2012年 2月 2日(木)21時29分57秒
  待ちに待っていた一本を遂に観る。

上映期間は一週間、夕方と夜2回の枠。豪雪で映画の日でも客は5人。イタリア映画に県民はは厳しい。しかし映画は凄く面白かった。昔からイタリアのダミアーノ・ダミアーニのマフィア映画を観ている身には感無量だ。あの世界にカメラを持ち込んで撮影したかのような凄まじい臨場感。

スクリーン・サイズはシネマスコープだが、空間を利用して、人間の間の距離感を描いた「サンザシの樹の下で」とはまた違う。似てるとすればジョン・セイルズの「希望の街」のロバート・リチャードソンの撮影だ。あれも一つの街を舞台にしていた。この世界で起きている事を見逃すまいといった目いっぱいの映像と言う感じだ。

映画は初めから終わりまで階層を描く。自分の上にいる人間の顔も名前も知る事も出来ない最下層。そこから上がりをとって、上納金という形で搾取される中間層。そして、権力を握っているようで、実は資本主義のシステムの中の部品に過ぎない上層部。このスクラムに終始する。

強烈な烈な無常観。悪はマフィアにとどまらない。コスト削減を掲げる「新自由主義の聖戦貫徹」の果てがこの世界だ。観ていればわかるが、毒は世界に回っている。テレビの向こうのハリウッド女優も中国の労働者もその中にいるのだから。。

この映画の全てを総括しているのはト二・セルヴィッロ演じるフランコ(凄い貫録で映画全体を圧している)が部下と決別するシーンである。増村の「黒の試走車」を思い出した。部下はもうついていけないというが、フランコは説得するも叶わず罵声を浴びせる。お前が言うまでもなく、此処どころか世界がとっくに地獄なのだ。どこに行こうっていうんだ。


そういう図式は他にも登場する。

廃棄物が漏れ、車から運転手が逃げてしまうと、今度は奥の手で事を治めるところがリアルを通り越してシュールの域に達してしまうのが、また凄い。ここでも若い世代の反逆など権力者には利用されるものでしかない。反・権力は非・権力ではない事を権力者は一番よく知っている。分派して主流派に立ち向かうも、散々にやられ、復讐しようとするが、誰がリーダーかも知らない彼らは裏切り者として(そんなことすら頭に浮かばない)女を殺害する。むろん無意味な事だが、権力に逆らっているつもりで、実は権力の手先になってしまう。

搾取される側は「スカーフェイス」を見て「俺もあんなになってやる!」と叫び、銃をぶっ放すが、アル・パチーノ演じるトニー・モンタナががカッコよかった(事実だが)所だけに目が行ってしまい、荒っぽそうに見えて、実は細心の注意を払って権力者に近づき、相手に取って代わってゆくかまでを映画から学んでいない。「教訓を学ぶ」と言って、実は一方的な部分だけ学んでいる事がどれだけ多いことか。

対して老練な権力者は大した事が無いチンピラを殺す事にすら、周到に準備して、相手が逃れようのない状況に追い込んで息の根を止める。かたやチンピラは手下になりたくないと言いながら、大して変わらぬ状況に追い込まれ、名を売るどころか元も子もなくなってしまう。自分が何者か理解できない人間が、誰が敵かもわからない人間には「とってかわることすらできない」のだ。

ラストの不気味な音楽が実に効果的。エンニョ・モリコーネの「遊星からの物体X」を思わせる重く、単調なようで、鼓動のような響き。それ自体聞いても楽しくはないだろうが、この映画を締めくくるにはぴったりだ。2時間半弱、あっという間に過ぎ去る超重量級伊太利亜暗黒映画。
 

サンザシの樹の下で

 投稿者:竹内です  投稿日:2012年 1月30日(月)11時11分4秒
  今や「英雄」や「王妃の紋章」など国策映画の旗手として好評も不評もあるチャン・イーモウ監督だが、得意分野に戻って例の「ブラッド・シンプル」のリメイクの汚名返上といったところか。ただそれにとどまらない面白い映画である。ある意味では「初恋のきた道」より進んでいる。

シネマスコープの横長のサイズを利用して、ヒロインと恋人が距離を保ちながら愛を育むさまが実に上手く表現されてゆく。手を変え、品を変え、それで進んでゆくが、文革時代が故の世間の空気がそれを嘘くさく思わせない。実際はあんなに上手くはいかないだろうが、演出は好調だ。2人を囲む美しい自然は極めて魅惑的で、正直観ているあいだも観飽きない。

では、今回の映画は国策と無関係なのかというとさにあらず。なぜならこの映画の裏テーマは「放射能汚染」だからだ。ヒロインの恋人は白血病で死ぬが、その原因が遠回しにではあるが、彼がある「鉱石」の発掘に関わっていて、仲間も白血病になっている設定なのだ。ヒロインも恋人も文革で家族が投獄、犯罪者扱いされ、汚名返上の必要性が生じていた。そこで二人はお互いに共感と愛情を覚えるとともに、別々の立場で「どぶ掃除」をやらされていた。異常なまでの思いやりは、愛情からではなく、2人がいた立場ゆえのものだと分かってくる。彼の「どぶ掃除」の正体が物語が進むにつれ、状況から次第に明らかになってゆくさまはなかなかスリリングである。

何故サンザシなのかというと白い花が咲き、赤い実がなる。冒頭で「このサンザシの花は抗日戦士の血が故に赤い」と言われていたが、それはフィクションで、この映画のサンザシも花は白く、実は赤い。ゆえに赤い実=中国共産党を実らせるために白い花=人民であり、実がなるためには花の犠牲が必要になる事を意味する。ヒロインも主人公も「変革はある」というが、それは党への批判ではない。ヒロインが国策がゆえに「鉱石の汚染」(つまりイエローケーキによる被爆)によって恋人を失っても、国家への忠誠は揺るがない。恋人は「赤い布」と、サンザシの絵の入った洗面器を買うのはその意味だ。極めつけがヒロインが死にゆく主人公に「赤い布」を抱きながら永遠の愛を誓う。もっとずばり言うとこの彼氏には毛沢東その人が暗示されていると言っていい。悪いのは毛主席ではない。悪いのは4人組であり、多くの犠牲も哀しく残念なことだが、共産党は悪くないと。


あの村の顛末、ヒロインのその後がサンザシを背景に字幕で説明されるのは、駄目押しである。近代化によって多くの犠牲が払われれたが、それはやむおえない事だったのだと。ストイックなラブストーリーの形を借りて、作れられた見事なプロパガンダ映画なのだ。

だからいかんというのではない。こういう凄い国策映画が出来るというのは中国国民に映画が産業として認知されているからで、そういう体制が出来ている事に学ぶべきであり、民間の力が・・・と念仏のように唱えるだけの新自由主義者には出来ない現実を知るべきなのである。日本では映画は産業として国民の支持を得ているわけではない。韓国や中国が押してきているのも、国家を富ませるための戦略として映画が位置告げられ、そこに人材が投入されるようになっている事今、一番疎かになっているのは日本ではないだろうか。

イーモウ監督もあの時代の犠牲に放射能汚染があった事を映画にするのには相当勇気が必要だっただろう。しかも中国の国威を傷つけずにそれを成し遂げるにはどうすべきか?そこでこういう映画が出来たのだと思う。この戦略の巧みさには感心する。



 

「アンダー・コントロール」

 投稿者:若泉メール  投稿日:2012年 1月29日(日)01時46分26秒
  淡々とシンメトリックな画面を多用し原発を描いたドキュメンタリー。
工場のいろんな部門を見せているという点では起伏がない、退屈な印象を持つ産業映画と言えるかも知れない。
この映画の価値は、「原発は終わらせられる」「原発の廃炉後はこのようになる」ということを見せていることだと思う。それは、とりわけ福井に住む僕たちにとっては空想の領域だ。
なので、ドキュメンタリーでありながら「夢も描いている」と言える。「その夢は悪夢だ」という人たちももちろんいる。

「イエロー・ケーキ」上映に感謝いたします。また宣伝に努めていきます。
僕の周りの人たちは、こうした上映を機にメトロを知り感謝していました。そのことをお礼の意味も込めてここに紹介しておきます。
 

リクエスト

 投稿者:なお  投稿日:2012年 1月21日(土)14時16分54秒
  いつもお世話になっております。

私からも永遠の僕たち、J エドガー をリクエストします。
 

リクエストです

 投稿者:NUMA  投稿日:2012年 1月20日(金)20時12分40秒
  「Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち」をお願いします。  

リクエスト

 投稿者:竹内です  投稿日:2012年 1月18日(水)20時23分51秒
  「マシンガン・プリーチャー」をお願いします。http://mgp-eiga.com/  

(無題)

 投稿者:あらいくん  投稿日:2012年 1月18日(水)19時27分18秒
  サウダ-ジとヒミズお願いします。。
 

リクエストします。

 投稿者:竹内です  投稿日:2012年 1月16日(月)17時30分25秒
  「預言者」(ジャック・オーディアール監督)http://www.sumomo.co.jp/

「J・エドガー」(クリント・イーストウッド監督)http://wwws.warnerbros.co.jp/hoover/index.html

「善き人」(ヴィゼンデ・アモリン監督)http://yokihito-movie.com/

「悲しき獣」(ナ・ホンジン監督)http://kanashiki-kemono.com/

いずれも福井で公開予定のない映画です。
よろしくお願い申し上げます。
 

リクエスト

 投稿者:ぷー  投稿日:2012年 1月15日(日)03時38分54秒
  富田克也監督の「サウダーヂ」希望です。過去作品の「国道20号線」もあわせて上映していただけるとなおうれし。  

リクエストです

 投稿者:はな  投稿日:2012年 1月14日(土)09時45分36秒
  「永遠の僕たち」をよろしくお願い致します。  

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