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「PATERSON」雑感。

 投稿者:みきお  投稿日:2017年11月12日(日)20時50分23秒
  普通の日常を普通に描いた偉大な映画。
(一言で言い現わすと さう為る)。

主役の男が何処にでも居るやうなノッペリとした顔立ちで職業が路線バスの運転手。
楽しみが詩作と場末の呑み屋でビールを一杯 引っ掛けるだけと云う面白みに欠ける
日常が延々続くだけで 米国映画お約束のド派手なシーンも無ければ急転直下の
プロットの展開も無く オー・ヘンリーの名作「賢者の贈り物」に登場する若夫婦
のやうな お互いが労わり合うだけの会話が1週間 続くだけの映画なのだ。

其れが目に優しく・耳に心地 良く 読後感スッキリの秀作に為ってる。

印象に残った断片的な場面を少し話すると。
公園のシーンで見知らぬ東南アジア系の背広男から声を掛けられるのだが
掛けて来た眼鏡の男は盛んに「恐縮ですが」のフレーズを使ってたので
直ぐ日本人だと判った。かう云う持って回った枕詞 入れないと何も話を
切り出され無いってのは日本人特有で 自分も同じ言い方しただろうと
面映ゆい思いが した。

「金津 創作の森」あたし行けば こんな夫婦も居るだろとは思ったが
実際 近所に こんな夫婦が居たら かなり薄気味悪く感じると思う。
夫は詩作の手帳を肌身 離さづ持ち歩き・妻は高価なギター片手に芸能界
デビューを夢 見てて 二人には将来の生活設計の「せ」の字も出て来ない。
別に悪いと云う訳でも無いけど 遅かれ早かれ破綻する夫婦のやうにも思える。
だから こそ
人に感動を与えるドラマにも為り得るのだと 見終えて感じたのだが。

最後に 劇中 二人が地元の映画館で白黒映画 観てる場面が有って 映画は伝説の
コメディアン コステロのフランケンのパロディ物だったんだけど
フランケンシュタイン博士が造り出した人造人間はキャラが立ち過ぎてるので
昔からパロディ化され易い。観ながら 40年前に為るか日本のコミック漫画
「怪物くん」に登場しててたフランケンを思い出して懐かしかった。
 
 

「ELLE エル」雑感。

 投稿者:みきお  投稿日:2017年10月30日(月)21時01分37秒
  見終えて 女性映画を撮らせたら天下一品と云われた成瀬 巳喜男 監督の
「女が階段を上がる時」を思い出して居た。
(故)淀川長治サンが怖い女性の映画の素材としてラジオの映画番組で昔 紹介
されてた邦画なんだが 本編も相当に怖い女性が登場した。

映画は 中年女が自宅でレイプされる場面から始まるんだが 予告編で
そんな単純な お話で無いのは先刻承知の介だから一種 謎解きのやうな
面白さが有った。主人公の中年女はラス・メイヤーの「先天性 色情魔」の
やうな異常性を持つゲーム会社の社長なんだが 実父との葛藤で心に痛手を
負って居る。母親が死に・続いて収監されてた父も自死し 親からの呪縛が
解けた主人公は友人と仲良く画面の向こうに去って行く場面で FIN。
自分も親が死んだ時には寂しさより開放感が強かったので主人公の心情は
何んとなう解る。のだが 友達と笑いこける程には至らなかった。
よっぽど主人公は両親を恨んでたんだと推察ス。
まぁ あの両親なら子から恨まれて仕方も無いとは思ったが。

母親が急な脳梗塞で倒れ 担ぎ込まれた病室で意識不明の重体。
様子を見に来た主人公だが病室のテレビからはベートーベンの「田園」だったか
流れてた。その たおやかな旋律と画面が乱れ 母の様態も急変し・・死亡。
中々芸が細かいと感心した。

主人公は10歳の時 周囲から「灰かぶり少女」と からかわれてた らしい。
「灰かぶり・・」と云えば「シンデレラ」の別名。そんな名が付くのは
褒め殺し って奴なんだろうか? 主人公の「性」が屈折してしまった訳は
それだと感じた。
 

「ローサは密告された」雑感。

 投稿者:みきお  投稿日:2017年10月25日(水)20時12分38秒
  かなり重い映画で在る。
のは解ってたが後半部で残った子達が健気に働くので その分 気持ちが救われる。

マニラの下層社会で生きる家族の物語なんだけど両親が麻薬の密売で捕まり
残った3人の子達が両親を放免 出来る銭を作ろうと働く。
印象に残ったんは未だ学生の娘。普段は綺麗な学生服 着て学友と御喋りに
夢中だけの生活が一変し 疎遠に為ってる叔母に銭を借りに行くシーン。
その顔には女学生のアドケナサは消へ すっかり大人びてる。
同世代で有ろう働いてる従兄弟から なけなしの蓄へ貰い お礼を云う場面
では 娘では無く家父長 代理みたいな風格さへ感じられた。
かって フイリッピーナに入れ揚げると女の大家族までタカリに来ると
聞いたものだが 娘が家族の為に労す ってのは彼の国では美徳で又 当然と
受け入れられる国民性なのかと思った。

でも 主役の母親役を やった女優がカンヌで最高賞ってのが意外だった。
確かに スーザン・ヘイワードの「私は死にたくない」と同レベルの白熱の
熱演だったんだけどカンヌの女優賞ってのが ねぇ。マーロン・ブラントが
主演の「サヨナラ」でオスカー助演を得たジャズ歌手のナンシー梅木さん
以上の意外性だった。
映画自体は素晴らしいモノだったのだけどカンヌのレッドカーペットに
載せられた ってのに何かキナ臭い政治性を感じた。
フィリッピンの麻薬撲滅運動の過激さにサオサスのが目的の賞でなければ・・。
と思うのだが。

 

「夜明けの祈り」雑感。

 投稿者:みきお  投稿日:2017年10月14日(土)19時02分28秒
編集済
  親日国のポーランドだけど反面 歴史的に反ロシア感情が根強いので「そんな国の
新作物なんて楽しめ無いな・・」。と思いつつ銀幕の前に座った。

全編に渡る重苦しい感じは最後の場面を除き銀幕からは消えなかった。
それも その筈 カトリックの尼さんが修道院長 含めロシア兵にレイプされ
7人が妊娠~出産 云うのだから・・。そんな現状に乗り込んで行ったんが
フランス赤十字の女医とユダヤ人の男性医師。最後は孤児院まで併設しメデタシ&メデタシ
なんだが 其処に至る経緯で若い尼さんは狂い死にで飛び降り自死とか・院長は治療を
拒否して梅毒の合併症で死んでゆくとか悲惨な光景が登場して来る。
実際に有った話らしいが 日本でも満蒙開拓団の婦女子が侵攻して来たロシア兵に乱暴・
妊娠に至り帰りの船の船上から身を投げて死んだとか悲痛な話が残ってる。
映画の中で或る尼さんだったかも言ってたけど 戦争は終わっても戦禍は残るんだと思う。

女医が連れて来たユダヤ人を見て 尼さん達は拒絶反応を示した。のが興味深かった。
1960年代に入り公会議で「イエスが十字架に掛けられた事に関し 当時のユダヤ人が
皆が皆 悪い訳では無い」。と云う法王の声明が出たけど それまでは教会の公式立場は
「皆が皆 悪い」。だったから 当時の感覚では悪魔でも見るやうな目つき だったのかと
興味深かった。(話には聞いてたけど映像で見ると説得力が有る)。
かう云うシーンで思い出すんは シドニー・ポワチエ主演の名画「野のユリ」の
食卓の場面で 風来坊の黒人青年が布教に来てる尼さん達に「此処アメリカでは
食前の祈りでもアーメンとは言わづ エーメンと言うのさ」。と したり顔で
教え 厳粛なる祈りの時間がゴスペルに為ってゆくのだが 本編 観ながら
そのシーンと二重写しに為った。
つまり「野のユリ」の黒人青年が本編ではユダヤの男性・・。そんな作りかと。
本編でも最後の方で有名なマタイ伝の一節が読まれてたけど 映画「野のユリ」の
野のユリの意味も福音書の一節の意味だし 本編の「夜明けの祈り」の意味も
そんな処に有るのでは?と思いましたね。

背景の音楽は当時の尼さんの修道院らしく女声のグレゴリー聖歌ばかりなんだけど
最後に少しだけショパン・タッチのノクターンのやうなピアノ曲が流れ
生まれがポーランドで没したのがフランスだったショパンの曲を使ったのかな?
と一瞬 思いましたが 如何?

まぁ 21歳でプロテスタントで洗礼を受け・34歳でカトリックに改宗し・
生活費 稼ぐ為 母親の菩提寺で働いてる身に取って 本編の尼さん達の苦悩が
痛い程 伝わり 他人事の映画では無かったですねぇ~~。
宗教と現実の住み分け。永遠のテーマですね。
 

リクエスト

 投稿者:ぴーちゃん  投稿日:2017年10月13日(金)23時21分53秒
  『南瓜とマヨネーズ』
観たいです!是非お願いします!
 

「素敵な遺産相続」雑感。

 投稿者:みきお  投稿日:2017年10月 9日(月)19時58分16秒
  1970年代後半 大猿と共演したジェシカ・ラングは下品な言葉を使うと
当時 一発屋かと思ってた。でも再見したら違ってた。その間 相当 精進・努力
したのかと感慨深いモノが有った。
シャーリーは10年程前に為るか 彼女が書いた霊的な本を買って読んだので
改めて彼女の飾り気の人柄・等身大の生き方を知って 極めて意味深な
ブッキングだと思いながら銀幕の前に座ったのだ。

5万ドルの筈が保険会社の手違いで5百万ドルに化けて大金を手にした二人。
何処へ行くかと思いきやスペイン人が好きなカナリア諸島へ。
ラジオ・スペイン語を学んで5年の私に取っても憧れの地で ホテルの受付嬢から
ボーイまで当然の如く流暢なスペイン語で羨ましく 且又 眩しかった。
ギャング団のボスが嫁ハンに頭が上がらぬ冴えない男で 詐欺師も含め
登場人物が皆 善人として描かれてて ボブ・ホープが「ルーシー ショウ」に
出演してるやうな感じで 今の米国大統領が目指す・好む社会文化性と相通じる
部分を感じて シャーリーがミュージカルの「メイム(おばさん)」を演じてる。
そんな気がして来た。
若し ルーシー(ルシル・ボール)が演じたら爆笑&爆笑だったろうけど
シャーリーが演じたから かなりシリアスと為ったんだろうと思った。
良くも悪くもアメリカ人好みの楽天的な肩の凝らない洒脱な映画。
 

「家族の肖像」雑感。

 投稿者:みきお  投稿日:2017年10月 4日(水)20時16分21秒
  初公開当時 国内の映画評論家は全員 この映画を褒めて居た。

どんな名画でも一人や二人はサオサス人が出て来るもんなんだが 本作は皆が皆
だったんで「なら 今更 改めて観る必要も無い・・か」。と当時は観なかった。
今回 デジタル・マスターの修復版なので初公開当時より鮮明だろと思い
見る気に為った。お目当ては シルヴァとドミニクの二人の欧州女優。

結論から云うとラストの10分を除き退屈な映画だった。
離れた座席から観客のイビキも聞こえたが実際 私も半分 寝て居た。
帰ってからネットで調べて見たら「監督は当時 体調が悪く歩き回られる体力も
無かったんで室内劇と為った」。と書かれて在ったが まるで米国映画の
「12人の怒れる男達」のやうな閉塞感が有って 観て居て爽快な映画では
無かった。又 舞台劇を映像化して見せてる手法にも板張りの舞台を観る事の
無い身に取って しんどい ばかりで 玄人受けは しても私も含め
素人受けは しない映画だと感じた。
「なんでも有りが映画」って云う視点に立てば かう云う映画も在って 然るべき
とは思うのだが ベルイマン映画とは違った意味で相当に「難しい映画」だと気づいた。

1970年代の映画だけど感情促進音楽も随所に散りばめられ まるで1940年代
前半の映画みたいで 時間の流れも大時代的。私が好きなグリア・ガースン主演の
「心の旅路」の持つ時代性と雰囲気的に似てたので驚いた。
ドミニク・サンダ 演ずる老教授の おそらく若い頃と思われる母親のフラッシュ
バックの現れも在って 監督は耽美的 回帰主義 だと受け取ったのだが・・。
 

「ムーンライト」雑感。

 投稿者:みきお  投稿日:2017年 9月28日(木)22時18分30秒
  「♪秋の夜長の~・・」。最近 好きな大橋節夫の和製ハワイアンを心で口づさみつつ
夜さり来たけど やっぱ秋も深まり夜は寒いですね。

本編は オスカー・ゴールデン グローブ 両賞受賞の作品だけ有って
詰まらない映画では無かった。その点は評価したいんだけど「感動」だの
「愛」だのと為ると かなり疑問符。
一般の米国人が映画に於けるアートを どう捉えるか?って意味では
良い教材とは思うけど 私的には よく解らない映画だった。
映画劇として あまりメリハリが無く単に物語が流れてゆくだけ。
ってな印象だった。其処が此の映画のメッセージなんだろうけど正直
眠たく為りました。

冒頭のハンディ型と思われるキャメラを ぶんぶん振り回す撮り方は
ゴダールのやうで有り 海と夕日?との対比はルルーシュのやうでも有りで
スタッフは欧州人?と観ながら突っ込みを入れたく為った。
ゲイを扱ったシーンも有ったので「ベニスに死す」を思い出したのだけど
事は さう云う単純なモノで無く「自分 探し」の映画なんだろうと感じた。
オール黒人の かなり挑戦的な映画造りだけど 音楽はドビッシー・タッチの
クラシック有り・オールディーズ調 有りと豊富で映画に厚みが出来た感じ。
話の筋より制作スタッフの力量に魅せられた。

仏教には「輪廻」と云う言葉が有るが 主人公や母親 見てて さう思った。

 

「海辺のリア」雑感。

 投稿者:みきお  投稿日:2017年 9月25日(月)14時57分57秒
  仕事の中休みが長かったんで思い切って来てみた。
元来 現代日本映画は好きでは無いんだけど時間が空けば来るのがモットーで
あんまり映画の選り好みは しない方。

本編は 一口に云えば 仲代達也の生前葬。
実際 バックに葬送行進曲も重々しく掛かってたし ジェームス・スチュアートや
サー・ローレンス・オリビエにも成れ無かった男のローマ時代の野外劇。
そんな映画だった。認知症の問題にも触れては居るけど それは結果として
さう云う描き方に為っただけで主体は一役者の晩年をザックリ描いて魅せた。
そんな作品だった。

観ながら 昔 観た「午後の遺言状」の杉村春子・音羽信子の演技を
思い出してたのだが 本作は仲代の遺作に為るのか・・と云う思いがした。
でも かう云う大円団の遺作と云える映画に出れる事自体 最晩年まで主役を
張ってると云う証で 常に戦前から脇役だった飯田蝶子サンなどは死ぬまで
脇役だった訳で その点 恵まれた役者なんだなと感じた。

認知症の問題は・・。観てて周囲が認知症だと思った。
「認知症って あぁ云う病気なんだな」と周囲がシッカリ認知して居れば
激するトラブルだの怒りだの お互いが生じない筈。
生じるのは壊れてゆく当人を周囲が認知したく無いと云う一点が原因。
さう云う意に於いて認知症って大所高所の目線で云うと周囲が認知症で
その写し鏡が当人の認知症。文学的表現だけど そんな気がした。
 

「おとなの恋の測り方」雑感。

 投稿者:みきお  投稿日:2017年 9月23日(土)20時40分13秒
  前々から この映画は観たいと思ってた。
ラインアップも変わり本日が初日。世の中は秋の彼岸。
「だから絶対 観てやるぞ!」。そんな気持ちで前々から楽しみにしてた。

楽しみにしてた以上に中身は更に楽しいモノだった。
点数 付けると 130点は固い。百点満点で。
冒頭 ヒロインが長い外套 着て画面に現れるんだが その立ち姿が既に素敵だった。
髪はブロンドなので「シェルブールの雨傘」のヒロインを想起させた。
トレンチ・コートのやうな男女が着れるコートは やはり欧州女の専売特許で
米国女が仮にマンハッタンで着用しても似合わないと感じた。

映画の中程のダンス教室の短いシーンで「愛情物語」の有名なピアノ曲が流れ
キム・ノバックの ふくよかな横顔とヒロインの横顔が少し だぶって見えた。
他 流れるやうな甘い旋律の歌が全編に流れ まるでシネ・ミュージカル仕立て。
時間もユックリ・たおやかに流れゆき ケイタイが無かったら1940年代の
映画のやうだった。
「君の心に障害が有る」。さう云ったんはヒロインの確か父が自らの妻に対して
だったけど 本編の数少ない固いメッセージだった。

舞台は港町マルセイユ。さしづめ日本なら神戸・三ノ宮を歩いてる男女のカップル。
オシャレでオシャレでオシャレで素敵な映画だった。
 

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